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雪駄のかかと、重ねについての考察です。

百聞は一見にしかずなので、まずは画像をご覧あれ。

左:75000円   真中:60000円   右:30000円

一番よく見る畳表の雪駄は、右の雪駄のように、

かかとに、
重ね(カサネ、kasane)が、畳表と裏革の間に入っている。
この重ねが、つま先まで通っていないで土踏まずあたりで終わっている状態で入っていることを
二枚なら、後二枚(後二、アトニ)と呼び、一枚なら後一枚(後一、アトイチ)だ。

重ねの呼び方の他に、重ね芯(カサネジン、kasane-jin)芯(シン、sin)、と呼ぶ。

他に竹皮や棕櫚葉、いぐさなどの素材の重ねは、
草芯(クサジン kusa-jin)、畳芯(タタミシン tatami-sin)と区別する呼び方もある。

また、共芯(トモジン、tomojin)という呼び方もあり、
これは重ねの部分が表と同じ材質の場合で共になっているから。

重ねは、上記の呼び名の総称である。
もちろん、先端まで通っている芯も「重ね」になる。

雪駄だけでなく、草履も芯が入っていれば重ねと表現する。

・柄芯の重ね(2015.10.13)
柄芯
上の写真は、柄が入った草芯の重ねで、「柄芯」と呼ばれる、非常に珍しい重ね。
40年以上前はこんなのもあったのだ!

●重ねの枚数による、「縁起」

枚数が多い方が礼装用として適していると言われているが
今日では、そこまで細かい事は問題にならない。
後二枚あれば事足りる。

・・・が、本来ならば前一枚、後三枚が理想的。
奇数で割れないからだ。
結婚式で包むお金は偶数で割れると、別れるとの意から縁起が悪いのと一緒。

右の雪駄のかかと部分のどアップ画像。

↑後三枚と数えがちだが、表は重ねに数えないのだ。よってこれは
後二(アトニ atoni)、二枚(ニマイ nimai)、二枚重ね(ニマイガサネ nimai-gasane)と呼ぶ。
重ねの枚数が多いから「良い雪駄」ということは無いが、手間はかかるし、コストもかかる。

次に、左の雪駄の画像と↓


真中の雪駄の画像。↓


おや!?かかとに重ねが入ってないじゃないか!
と、お思いの方も多いと思うが、これが

革芯(カワジン kawa-jin)と呼ばれる雪駄である。
この革芯、昭和に入ってから誕生した、粋と耐久性を両立させた雪駄の作りだ。
東京のある問屋さんが、パッと見、粋なベタバリに見えるけど耐久性も追求したいと、
革芯を創案し、大阪の問屋に大量に革芯雪駄を供給して、そこから関西地方に拡がり、
かなり需要があったため、東京の履物関係者には

「革芯は関西」

と思われているが、実はそれは間違いで元は東京だ。

この革芯は、粋と耐久性を求めた作りのため礼装用には不向きだ。

写真のように、地長表の良いので革芯となると非常に高価だし、入手困難。
基本的に、あまり良くない表の雪駄を革芯にするし、
さらに地長表を作れる製造所が数えるほどしかなく、年間10足も作られなかったから、
この革芯と地長表の組み合わせの雪駄はとても珍しい。
ちなみに、地長表の年間10足と言う製作数は1995年より前の話で、
履物屋のご主人連中は


「今はもう無いよ」


と、口を揃えて言う。

写真の75000円の革芯地長表雪駄は15年前のもの。(2005.6.24現在)
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雪駄塾 塾長

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