FC2ブログ

こんちわ。塾長です。
夏も終わりになりかけています。

色々雪駄のネタは沢山あるのですが、小出しになってしまっていてもっと一気にダァーっと出したいです

雪駄と言えば反り。その反りを出しながら保持するのに苦心していた筆者ですが、大昔からこんな雪駄も存在したのです。



スチールシャンク入りの雪駄


シャンクとは、靴の内部のアーチ部(土踏まず部)に入っている骨格で、体重が掛かっても靴が歪まないようにするものです。それが何と雪駄の中芯に入っていたのです!

左:スチールシャンク入りの雪駄、の中身。右は通常の作りの雪駄の中身(経木とボール紙の構成)。




筆者は某オークションでとにかく古い雪駄を片っ端から買い漁っていて、分解して中身がどうなっているか調べていました。

中芯の経木の上に薄いウレタンスポンジが一枚敷いてあったり、ボール紙の形も幅が広かったり、先端が丸かったり、かかとに行くにつれて狭くなったり。また、それら中芯を止める為の釘の長さ/太さ、材質、頭の形。打ち方や打つ場所、曲げ方/曲げる方向など。

竹心雪駄を作る前はアルミ板と衝撃吸収材ソルボセインを中芯にしていたので薄い雪駄でもショックを吸収するし、反りも好きな角度に自分で調整出来る仕様に作っていました。

そんな中でぶち当たったのが、このシャンク入り雪駄。開けた瞬間これには本当に魂消ました。


あ!



と言う感じ。

骨組みとして歪まない事を目的としたものでは無く、このスティールシャンクは反りをつけるのと、それを維持する為に入っている。

反りのある雪駄をメインで作っていた私には一瞥するだけで経木の厚みと雪駄の履き方(用途)を考えればすぐに分かりました。

また、シャンクを置く位置もこの位置で合っていて、靴だともっと後方で本当に土踏まず部に架かるように位置しますが、雪駄の場合は足で踏む所、つまり一番力がかかる所が前坪(先端の中心に位置する穴)より3〜5cm下に位置するのでシャンクを押さえつける形になり、シャンク自体が中で暴れない。位置がズレないように軽く釘で止まっているだけで十分なのです。

何が凄いってこんな薄く細い板っぺらでちゃんと機能している事。履き古された、最低でも40年以上前の雪駄なのにしっかりと反りがついて、それを維持している。


昔、中芯をアルミ板で幅6cm、長さ20cmで作っていた事を考えると自分はまだまだ履物の事を理解していなかったのだなと、この雪駄を見て思ったものでした。



そして、履き心地について。


畳表を裏返すと真ん中がくぼんでいます。これはどんな畳表も同じで、くぼんでいる部分は芯縄と芯縄の隙間です。

くじりの先端で示した部分を良く見て下さい。くぼんでいますね。


右写真の様に、中芯と表が合わさると丁度こんな感じに表の裏返した部分のくぼみにシャンクが入ります(定規でイメージして下さい)。

裏側のくぼみがシャンクで埋まり、表が綺麗に平たくなるので足が乗り圧がかかっても平たいまま。
つまり、履き心地も良いのです。

幅1.1cm 長さ10.8cmのスチールシャンクですが、「この短さでいいのか?」と言う声も聞こえてくると思います。

大丈夫です。

シャンクより下は土踏まずになります。また、かかとが乗る⑤と書いてある付近は芯縄が通っていて分厚くなっているので必要最小限で最大の効果を発揮している、全く無駄のない作りです。
(ちなみに一番後端は「雪駄どめ」といって、丁度、線香花火の先端みたいなものが畳表の編み込みの中に入っていて、厚さと形、耐久性も確保してあります。)


なんと考えられていて合理的な事か・・・。
正直、この感覚は全く無かったです。



このスチールシャンク入り雪駄、今となっては誰が作ったか分かりませんが、名も無き雪踏師に敬意を表したいです。



雪駄塾 拝

2020/09/14 記

スポンサーサイト





この記事へコメント:する















雪駄塾 塾長

Author:雪駄塾 塾長
mail:settajyuku2@yahoo.co.jp
phone:050-5435-1973

◇雪駄 べたがね 補修部品
◇花緒一覧 特注製作等
◇過去に製作した雪駄
◇雪踏の語源~雪踏と雪駄~

© 2005-2020 魁!!雪駄塾

QR